COLUMN家づくりコラム

近年増加している豪雨や台風。風害・水害に強い家とは③

イエタッタ編集部
2022.07.25

住まいの強風や豪雨などの被害への対策について、意識したことはありますか。変化していく地球環境の中で、大型台風や豪雨が日本を襲うことが増えているといわれています。誰もが経験しうる自然災害。事前に備えができれば、被害を最小限に抑えることができるはず。今回は、屋根の種類や雨風への強さなどについてお伝えします。

 

◆屋根材の種類別の台風などに対する強さは?
・瓦屋根
日本家屋において古くから使われてきた瓦屋根。瓦屋根は、一般的に固定されずに浅木(さんぎ)という部分に取り付けられています。そのため強い風が吹いたときには、ずれたり飛散することも。


・スレート屋根
スレート屋根には、「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。天然スレートは、ヨーロッパなどで古くから使われていた屋根材。板岩という天然石を薄く割って作られた屋根材を使用しています。化粧スレートは、天然スレートと比べて安価なセメントなどで作られている屋根材。劣化しやすいといわれており、塗装などのメンテナンスを怠ると雨などで脆くなり、さらに瓦屋根に対して軽い素材のため強風で飛散してしまいます。


・アスファルトシングル
アスファルトシングルは、北米でよく使われてきた屋根材で、ガラス基材にアスファルトを浸透させたシート状の屋根材のことです。薄い材料のため、他の屋根材に比べて風にあおられやすい屋根材といえます。


・ガルバリウム鋼板
ガルバリウムとはアルミ、亜鉛、シリコンを組み合わせた合金。さびにくく、風にも強いという特長があります。ただし、沿岸部では潮風の影響などによってさびが発生することも。こちらも定期的にメンテナンスをして劣化を防ぐことで、台風被害の予防になります。


・防災瓦
ずれやすいという瓦本来のデメリットをカバーする防災が藁。ずれを防止する機能や浮き上がりを防止する機能があり、瓦同士がしっかりと結合します。耐久性が非常に高く、約30年は葺き替えがいらないというのもポイント。他にも防水性、遮音性、断熱性など、さまざまな利点があります。デメリットは、スレートや金属の屋根材と比べて設置費用がかかること。

 

 

◆台風に強い屋根の形状は?
強風や豪雨への耐性は、屋根の傾斜によって大きく異なるといわれています。

 

・急勾配の屋根

雨水が流れやすく、屋根材の耐久性を保つことができる急勾配の屋根。雨には強いのですが、強風の影響を受けやすいため風には弱いといえます。

 

・緩勾配の屋根
急勾配の屋根に対して、風の影響が少ないのが特長。しかし雨や塵などがたまりやすいため、屋根材の劣化が早まります。

 

・風に最も強い!?ピラミッド型
4面で作られているピラミッド型の「方形屋根」。どの方向から風が吹いても一か所に風の力が集中しないため、風圧に最も強いといわれています。また、雨の量も分散するため、屋根へのダメージが抑えられます。

 

・軒の長さ
軒とは、住宅の壁面より外側に出ている屋根の部分。外壁の保護や日差しの調整などの役割を持っていますが、窓などに雨水が吹き込んだりするのを防止する役割もあります。ただし、壁面からせりだす面積が大きければ大きいほど、強風への耐性は弱くなってしまいます。いずれにしても、台風に強い屋根をつくるためには、定期点検とメンテナンス、場合によってはリフォームが必須。災害に強い屋根の素材や形状について吟味して家づくりを行い、暮らしていくなかでしっかりとメンテナンスすることで備えを万全にしましょう。

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